技術・サービス

適切なシリコンパッド構造の選定によるゴルフボールの印刷面積拡大の考え方

2026-11-04

適切なシリコンパッド構造の選定によるゴルフボールの印刷面積拡大の考え方

厳格な品質管理が求められるタイの生産現場では、曲面のある製品へのパッド印刷が課題となることがあります。特に、ゴルフボールの印刷面積を広げようとすると、インクのにじみや図柄の転写不良が発生しやすくなります。こうした問題は、印刷位置のずれや生産工程の遅延につながる場合があります。本記事では、これらの問題を抑えながら印刷面積を広げるための、シリコンパッドの構造と硬度の選び方について解説します。

目次

  • 押し込み量を増やしてもゴルフボールの印刷面積を広げられない理由
  • 柔らかいシリコンパッドで印刷精度が低下する仕組み
  • K1とK4の硬度による印刷面積の違い
  • 印刷精度と印刷面積の拡大を両立する2層パッドの条件
  • Tokuabe (Thailand) ができること
  • よくある質問
  • 本記事を理解するためのキーワード

■ 押し込み量を増やしてもゴルフボールの印刷面積を広げられない理由

ゴルフボールは球形のため、側面まで広い範囲に図柄を印刷することが難しくなります。この問題に対して、パッドの接触面積を広げるために押し込み量を増やす方法が考えられます。しかし、押し込み量を増やしすぎると、別の問題が発生します。例えば、適正な押し込み位置からさらに5mm押し込むと、シリコンパッドが過度に変形します。

その結果、接触面で滑りが発生し、印刷位置のずれやインクのにじみが生じます。特に、図柄の中央部分では不具合が目立ちやすくなります。このように、押し込み量を増やして印刷面積を広げる方法には限界があり、印刷品質を均一に保つことが難しくなります。そのため、押し込み量だけでなく、パッドの変形特性も考慮することが重要です。

■ 柔らかいシリコンパッドで印刷精度が低下する仕組み

K4のような低硬度のパッドを使用することは、ゴルフボールの曲面への追従性を高める方法の一つです。柔らかいパッドは接触面積を広げやすい一方で、柔軟性が高すぎると図柄の形状を維持しにくくなります。パッドにかかる圧力が均一に分散されず、圧力が集中する中央部分でへこみやインクの転写不良が発生する場合があります。

また、中空パッドやトンネル型パッドなどの特殊構造に柔らかいシリコンを組み合わせると、力の分散方向が不安定になり、ワーク表面に接触するタイミングにもずれが生じます。その結果、図柄の一部が欠けたり、インクが広がったような跡が残ったりすることがあります。そのため、こうした構造を採用する際には、過度な変形を防ぐために、ワーク形状との適合性を確認する必要があります。

■ K1とK4の硬度による印刷面積の違い

適正な押し込み位置を基準の0mmとした条件で、硬度の異なるパッドを比較すると、印刷面積と図柄の仕上がりに明確な違いが見られます。硬度の高いK1パッドは形状保持性に優れており、図柄を高精度に転写できますが、印刷面積は706.5平方ミリメートルにとどまります。

一方、柔らかいK4パッドでは、印刷面積を881.0平方ミリメートルまで広げることができますが、インクのにじみや図柄の変形が発生するリスクが高まります。印刷精度と印刷面積のバランスを判断するうえで、こうした違いを把握することが重要です。

適正な押し込み条件における硬度と印刷面積の関係


パッド硬度

印刷面積(平方ミリメートル)

形状保持性

K1

706.5

形状を維持しやすく、高精度な印刷が可能

K4

881.0

広い範囲に追従しやすいが、にじみのリスクがある


■ 印刷精度と印刷面積の拡大を両立する2層パッドの条件

単層パッドの課題を解決する方法として、2層構造のパッドを使用することで、印刷精度を維持しながら印刷面積を広げることができます。印刷精度と接触面積のバランスに優れた構造として、ワークに接触する上層部分にK2のシリコンを使用し、下層部分にK4を使用する組み合わせがあります。

上層の比較的硬いシリコンが図柄の変形を抑え、下層の柔らかいシリコンが押圧力を吸収することで、パッドがゴルフボールの曲面に沿って広い範囲で接触します。この2層構造では、

803.8平方ミリメートルの印刷面積を確保しながら、均一なインク転写が可能です。曲面印刷用のパッドを選定する際には、各層の硬度の組み合わせを適切に設定することが重要です。

■ Tokuabe (Thailand) ができること

Tokuabe (Thailand) では、お客様の球形・曲面ワークに適したシリコンパッドの硬度や構造の分析、製品の提供に対応しています。標準的な形状のパッドをはじめ、高い印刷精度が求められる用途に適したK1硬度のパッドや、印刷精度と接触面積のバランスを考慮した2層構造のパッドなど、用途に応じたご提案が可能です。適切なパッド構造を選定することで、印刷時の変形を抑え、インクのにじみを低減できます。

パッドの選定には、ワークの曲率、インクの種類、印刷機の押し込み量などの条件を確認する必要があります。条件が明確でない場合や追加評価が必要な場合も、お気軽にお問い合わせください。

※詳細をお知りになりたい方は、この記事に添付されているPDFファイルをダウンロードいただくか、下記のフォームよりお問い合わせください。

■ よくある質問

Q1:パッドの押し込み量を増やすことで、ゴルフボールの印刷面積を広げることはできますか?
A1:押し込み量を増やすと接触面積は広がりますが、パッドが過度に変形し、接触面で滑りが発生する場合があります。その結果、図柄の中央部分にインクのにじみが生じるため、押し込み量を増やすだけでは印刷品質を維持することが難しくなります。

Q2:曲面印刷において、2層パッドには通常のパッドと比べてどのような利点がありますか?
A2:ワークに接触する上層に硬いシリコン、下層に柔らかいシリコンを使用した2層パッドは、図柄の形状を維持しながら押圧力を分散できます。これにより、印刷精度を保ちながら、より広い曲面への印刷が可能になります。

Q3:ゴルフボールの印刷面積を広げるために、中空構造のパッドは適していますか?
A3:中空構造のパッドは、押圧力の分散や変形方向が不均一になる場合があります。特に押圧力が大きい場合には、図柄の一部が欠けることがあるため、力の分散状態やワーク形状との適合性を慎重に評価する必要があります。

■ 本記事を理解するためのキーワード

  • シリコンパッド:版からインクを受け取り、ワークに転写するための部品。
  • 押し込み量:印刷工程において、シリコンパッドをワークの表面に押し込む距離。
  • 2層構造:異なる硬度の材料を2層に組み合わせ、押圧力の分散や変形特性を調整する構造。

※詳細をお知りになりたい方は、この記事に添付されているPDFファイルをダウンロードいただくか、下記のフォームよりお問い合わせください。

会社情報

TOKUABE (THAILAND) CO., LTD.

主要三品目

パッド印刷請負 / 印刷用機器 / 印刷コンサルティングサービス

ホームページURL

URLを表示する

特殊印刷資材メーカーです。印刷・加飾請負サービスも行っております。日本本社である株式会社特殊阿部製版所が創業から60年以上培ってきた技術・ノウハウを受け継ぎ、お客様の特殊印刷をサポートしています。

PICKUP

技術・サービス

CONTACT

お問い合わせ

TOKUABE (THAILAND) CO., LTD.のお問合せフォームです。お問い合わせ内容をご記⼊ください。

このサービスは、加⼯案件の相談や⾒積依頼を⽬的にしたものです。
⾃社PRや営業活動には使⽤しないでください。
送信内容について、受信者より苦情をいただいた場合、強制的に利⽤を停⽌する等の措置を講ずる場合があります。

名前*必須
会社名*必須
部署名
役職
メールアドレス*必須
電話番号*必須
お問い合わせ種別*必須
お問い合わせ内容*必須
ファイルを添付

ファイルは画像(jpeg, jpg, gif, png, pdf)と圧縮ファイル(zip, lzh)の拡張⼦のみ有効です。最⼤ファイルサイズ 10MB