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パッド印刷用データの準備:見落とされがちなインク濃度のムラと小さな文字のつぶれを防ぐ方法
2026-11-04
タイで工業製品を生産する際、パッド印刷用の版を製作するためにデザインデータを入稿すると、ベタ部分にインク濃度のムラが生じたり、小さな文字がつぶれて読めなくなったりすることがあります。こうした問題が発生すると、作業担当者がデータの修正に時間を費やすことになり、生産計画にも影響を及ぼす場合があります。本記事では、印刷工程における制約や2Dデータの設定条件を踏まえ、インク量を規定の範囲内で管理するためのポイントについて解説します。
目次
- ベタ部分と細線でインク濃度のムラが生じる版構造
- エッチング深さの調整と網点の追加によるインク濃度の安定化
- パッド印刷前に確認すべき細線と白抜き文字のサイズ
- 版製作前の確認基準となる2Dデータの設定条件
- 版製作に対応するファイル形式と画像解像度
- Tokuabe (Thailand) ができること
- よくある質問
- 本記事を理解するためのキーワード
■ ベタ部分と細線でインク濃度のムラが生じる版構造
版のデザインに細線とベタ部分が混在している場合、版全体のエッチング深さを均一にすると、インク量の調整が難しくなります。細線に合わせてインク量を設定すると、ベタ部分ではインク濃度にムラが生じやすくなります。反対に、ベタ部分に合わせてインク量を増やすと、細線ではにじみが発生する場合があります。また、細線とベタ部分ではインクの乾燥時間が異なるため、印刷面の色が均一にならない要因の一つとなります。こうした問題は、データ設計の初期段階から考慮する必要があります。
■ エッチング深さの調整と網点の追加によるインク濃度の安定化
インク濃度のムラを抑える方法の一つとして、ベタ部分のエッチング深さを浅くし、細線とのインク乾燥時間の差を小さくする方法があります。面積の大きなベタ部分では、網点を追加することで、インクがパッドに保持される状態を安定させやすくなります。また、外周に約0.1mmの輪郭線を追加すると、網点による輪郭のギザつきを抑え、印刷部分の輪郭を明瞭にするとともに、印刷領域全体の色を均一に見せやすくなります。
■ パッド印刷前に確認すべき細線と白抜き文字のサイズ
パッド印刷では、細い線や小さな文字の印刷に一定の制約があります。そのため、2Dデータが規定の寸法を満たしているか確認することが、線の欠けや文字のつぶれを防ぐうえで重要です。線幅は0.1mm以上を確保し、ワークへの転写時に線が欠けるリスクを抑えます。一方、白抜き文字は、白抜き部分の線幅を0.15mm以上確保することで、インクが空白部分に流れ込み、文字がつぶれて読めなくなるリスクを抑えます。これらの基準に合わせてサイズを調整することで、印刷部分の輪郭を明瞭に保ちやすくなります。
■ 版製作前の確認基準となる2Dデータの設定条件
パッド印刷用の版を製作するために2Dデータを入稿する際には、エンジニアや設計担当者がデータの正確性を確認するための基本条件があります。主な条件は以下のとおりです。
- データを実寸の1:1スケールで作成し、単位をミリメートル(mm)に設定する
- すべての文字をアウトライン化し、フォントの崩れを防ぐ
- 版をエッチングする範囲を明確にし、デザインと寸法線を分ける
- 入稿前にファイル形式、カラーモード(CMYK)、画像解像度、細かなデザイン部分を確認する
これらの条件をデータ準備の段階で確認しておくことで、データの差し戻しや再確認を減らし、版製作を予定どおりに進めやすくなります。
■ 版製作に対応するファイル形式と画像解像度
データを入稿する前に、ファイル形式と解像度が規定に合っているか確認することで、画像の粗れやデータの再修正による時間のロスを防ぎやすくなります。一般的な画像は300dpi以上、ロゴやバーコードなどの画像は1200dpi以上の解像度を使用します。版製作に使用できるファイル形式は以下のとおりです。
パッド印刷用版の製作に対応するファイル形式
種類 | ファイル形式 | 推奨 |
ベクターデータ | Adobe Illustrator(.ai) | 推奨 |
ベクターデータ | .eps | 対応 |
文書データ | 対応 | |
画像データ | Adobe Photoshop(.psd) | 対応 |
画像データ | .tif / .tiff | 対応 |
画像データ | .eps | 対応 |
■ Tokuabe (Thailand) ができること
Tokuabe (Thailand) では、お客様からご提供いただいた2Dデータをもとに、パッド印刷用の版を製作しています。規定に沿ってデータの初期確認を行い、線が細すぎる場合や文字間隔が狭すぎる場合には、実際の印刷条件に合わせてデータを確認し、必要に応じて軽微な修正にも対応しています。確認に必要な条件は、1:1スケールで作成されていること、文字がアウトライン化されていること、エッチング範囲が明確になっていることです。これらの条件を満たしていない場合は、詳細についてお問い合わせください。
※詳細をお知りになりたい方は、この記事に添付されているPDFファイルをダウンロードいただくか、下記のフォームよりお問い合わせください。
■ よくある質問
Q1:3Dデータをパッド印刷用の版製作に使用できますか?
A1:パッド印刷用の版は2次元データをもとに製作するため、3Dデータをそのまま使用することはできません。版を製作する際は、実寸(1:1)の2Dデータが必要です。3Dデータは、ワークの形状を確認するための補助情報として使用します。
Q2:入稿前に文字をアウトライン化する必要があるのはなぜですか?
A2:文字をアウトライン化することで、フォントの置き換わりによる文字崩れを防ぐことができます。アウトライン化すると文字が図形データに変換されるため、異なるコンピューターでファイルを開いた場合でもレイアウトを維持でき、版製作時のエラーを防ぎやすくなります。
Q3:白抜き文字とは何ですか。また、パッド印刷にどのような影響がありますか?
A3:白抜き文字とは、文字部分を印刷せずに空白として残し、その周囲にベタ色を印刷する表現方法です。白抜き部分の線幅が0.15mm未満の場合、インクが空白部分に流れ込んで文字がつぶれたり、埋まったりすることで、ワークに印刷した際に読めなくなる場合があります。
■ 本記事を理解するためのキーワード
- エッチング深さ:パッド印刷用の版にデザインを彫り込む深さ。インク量やインク濃度の管理に関係します。
- 網点:ベタ部分に追加する細かな網目状のパターン。インクの保持状態を安定させ、インク濃度のムラを抑えるために使用します。
- アウトライン化:文字を図形データに変換し、異なる環境でファイルを開いた際の文字崩れを防ぐ処理です。
※詳細をお知りになりたい方は、この記事に添付されているPDFファイルをダウンロードいただくか、下記のフォームよりお問い合わせください。
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