SERVICES
技術・サービス
【塗装レスでメタリック意匠】高輝度アルミマスターバッチでコストと環境負荷を低減
プラスチック成形品にメタリック調の外観を付与する方法として、塗装やめっき処理は広く採用されています。一方で、これらの二次加工工程は、製造コストの増加や工程の複雑化につながりやすく、有機溶剤の使用や廃液処理など、環境負荷への対応も課題となります。
塗装やめっき工程を削減しながら、金属のような美しい輝きを持つ成形品を実現したいと考える製造現場は少なくありません。
本記事では、高輝度アルミマスターバッチをプラスチック樹脂へ直接練り込み、塗装レスでメタリック意匠を付与する方法と、製造コスト・環境負荷の低減につながるポイントについて解説します。
目次
- 塗装やめっき処理がもたらす製造コストと環境対応の負担
- メタリック調成形品の二次加工における生産効率と意匠性の課題
- 高輝度アルミを樹脂へ直接練り込む塗装レス成形という選択肢
- 緻密な金属感から粒子感まで対応する粒子径ラインナップ
- 塗装レス化が製造現場にもたらすコスト削減と環境負荷低減
- レジノカラー工業株式会社が提供する高分散・高濃度アルミマスターバッチ
- よくあるご質問
- 本記事を理解するためのキーワード
■ 塗装やめっき処理がもたらす製造コストと環境対応の負担
自動車内外装部品、家電製品、日用品などでは、プラスチック成形品に高級感のある金属光沢を与えるため、塗装やめっき処理が用いられてきました。
しかし、これらの二次加工工程には、塗料や薬剤の調達コスト、加工ラインの維持管理費、人件費などが必要となります。また、塗装ブースや乾燥工程、めっき処理設備などを別途管理する必要があるため、工程全体が複雑になりやすいという課題があります。
さらに、加工工程で発生するチリやホコリの付着により、外観不良や歩留まり低下につながる場合もあります。加えて、有機溶剤に由来するVOCへの対応や、めっき廃液の処理など、環境規制に対応するための管理負担も無視できません。
■ メタリック調成形品の二次加工における生産効率と意匠性の課題
塗装やめっきが生産性向上の妨げとなる理由の一つは、射出成形後に別工程として二次加工を行う必要がある点です。
成形品を塗装ラインやめっきラインへ搬送し、治具へのセット、加工、乾燥、検査といった工程を経るため、生産リードタイムが長くなり、仕掛品の保管スペースも必要になります。
また、複雑な形状の成形品、深いボスやリブ、微細な凹凸意匠を持つ製品では、塗料が均一に付着しにくかったり、めっき膜厚にばらつきが生じたりする場合があります。これにより、外観品質の安定化が難しくなることがあります。
さらに、使用環境によっては、経年劣化による塗膜の剥がれや、摩耗によるめっき層の劣化が発生する可能性もあります。こうした品質維持の難しさも、二次加工が抱える課題の一つです。
■ 高輝度アルミを樹脂へ直接練り込む塗装レス成形という選択肢
こうした課題への有効な対策の一つが、高輝度アルミマスターバッチを成形樹脂に直接練り込み、射出成形時にメタリック意匠を付与する塗装レス成形です。
この方法では、成形時点でメタリック調の外観を持つ製品を得ることができるため、塗装やめっきなどの二次加工工程が不要になります。工程短縮により、リードタイムの短縮、加工コストの低減、仕掛品管理の簡素化が期待できます。
高輝度アルミマスターバッチでは、アルミフレークを樹脂中に均一に分散させることが重要です。分散が不十分な場合、粒子の凝集や外観ムラ、表面のざらつきが発生することがあります。
レジノカラー工業株式会社では、独自の配合技術と分散技術により、アルミフレークを樹脂中へ均一に分散させたマスターバッチを提供しています。これにより、成形品表面に粗大粒子が目立ちにくく、塗装に近い滑らかな金属感を再現することができます。
■ 緻密な金属感から粒子感まで対応する粒子径ラインナップ
高輝度アルミマスターバッチは、製品に求められる意匠に応じて、粒子径の異なるアルミフレークを選定できます。緻密で白度の高い金属感から、粒子感や輝度感を強調した意匠まで、目的に応じた設計が可能です。
■ 高輝度アルミマスターバッチの粒子径ラインナップ
| 意匠の特徴 | ベースレジン | アルミ濃度(%) |
5 | 緻密な金属感、高い輝度、高い白度を表現しやすい | AS樹脂 | 50 |
LD-PE樹脂 | 40 | ||
10 | 緻密感と輝度のバランスに優れたメタリック意匠に適する | AS樹脂 | 50 |
LD-PE樹脂 | 40 | ||
20 | より明確な金属感を表現したい用途に適する | AS樹脂 | 50 |
LD-PE樹脂 | 40 | ||
30 | 粒子感や輝度感を強調した意匠に適する | AS樹脂 | 50 |
LD-PE樹脂 | 40 |
これらのマスターバッチは、独自のペレット製造技術により、取扱性に優れたペレット形状で供給されます。成形前の樹脂ペレットと混合した際にもアルミ粒子の偏在を抑えやすく、ロット間の色ムラや意匠のばらつきの低減に貢献します。
■ 塗装レス成形が製造現場にもたらすコスト削減と環境負荷低減
高輝度アルミマスターバッチを活用して塗装レス化を進めることで、製造現場にはさまざまなメリットが期待できます。
まず、塗装ラインやめっきラインに関わる工程を削減できるため、工程管理コスト、設備維持費、エネルギー消費、人件費の低減につながります。二次加工に伴う搬送、治具へのセット、乾燥、検査などの工程も見直すことができ、生産リードタイムの短縮や仕掛品の削減にも貢献します。
また、塗装やめっき工程で発生しやすいチリ・ホコリの付着、塗膜ムラ、めっきムラといった外観不良の発生要因を減らすことができます。その結果、良品率の向上や検査・手直し工数の削減も期待できます。
環境面では、有機溶剤の使用量削減、VOC排出量の低減、めっき廃液処理の負担軽減に寄与します。さらに、塗装ブースや乾燥炉の稼働を削減できれば、エネルギー使用量やCO2排出量の低減にもつながります。
このように、塗装レス成形は、コスト削減と環境負荷低減の両面から、製造工程の見直しに有効な選択肢となります。
■ レジノカラー工業株式会社が提供する高分散・高濃度アルミマスターバッチ
レジノカラー工業株式会社は、各種顔料や高機能フィラーを樹脂や液体へ均一に分散させる分散技術を強みとしています。
当社が提供する高輝度アルミマスターバッチは、アルミニウム本来の美しさや金属光沢を活かしながら、最大50%という高濃度でアルミ粒子を分散配合した製品です。高濃度でありながら成形加工時の取り扱いやすさにも配慮しており、安定した外観意匠の実現をサポートします。
■ よくあるご質問
Q1. 対応可能な樹脂の種類を教えてください。
A1. 標準ラインナップとして、AS樹脂ベースおよびLD-PE樹脂ベースのマスターバッチをご用意しています。その他のエンプラや特殊樹脂への適用については、基材樹脂との相溶性を確認したうえで、個別に配合設計を承ります。まずは技術相談窓口までお問い合わせください。
Q2. 成形品にウェルドラインが目立つことはありませんか?
A2. メタリック粉末を配合した樹脂の射出成形では、ウェルドラインが目立ちやすくなる場合があります。当社のマスターバッチは、アルミフレークを高度に分散させているため、従来のアルミ粉末を直接添加する場合と比べて、配向の乱れや外観ムラを抑えやすい特長があります。さらに、金型温度や射出速度などの成形条件を最適化することで、外観への影響を低減できます。
Q3. 塗装品に近い輝度や光沢感を出すことは可能ですか?
A3. 5μm~10μmの微細なコイン型アルミフレークを使用することで、緻密で輝度の高いメタリック意匠を表現できます。金型の鏡面仕上げや成形条件の最適化を組み合わせることで、塗装に近い滑らかな質感を再現することが可能です。
ただし、最終的な外観は、使用する樹脂、成形品の形状、金型表面、添加量、成形条件によって変わります。そのため、実際の製品仕様に合わせた試作評価をおすすめします。
■ 本記事を理解するためのキーワード
- マスターバッチ:プラスチック成形において、顔料や各種添加剤を高濃度で樹脂に練り込んだペレット状の機能性材料です。成形時にベース樹脂に一定量を混合して使用します。
- 高度分散:金属粉や顔料などの微細粒子を、樹脂中で凝集させず、均一に分散させる技術です。外観ムラや物性ばらつきを抑えるうえで重要です。
- 塗装レス成形:塗装やめっきなどの二次加工を行わず、成形材料そのものに色や意匠性を持たせて製品化する成形方法です。工程削減や環境負荷低減に貢献します。
- 高輝度アルミフレーク:光を効率よく反射し、金属感や輝度感を表現しやすいアルミニウム粒子です。粒子径や粒子形状を選定することで、緻密な金属感から輝度感まで、さまざまな意匠を付与できます。
※塗装やめっきによるコストと環境負荷の見直し、または塗装レスによるメタリック意匠の付与をご検討中の方は、レジノカラー工業株式会社までお問い合わせください。
会社情報
着色剤 / 機能材
1928年の創立以来、レジノカラー工業株式会社は「一色一心」を信条に、着色剤事業で培った高度な分散技術を磨き続けてきました。 当社は、長年にわたり蓄積してきた配合・加工・制御技術を強みに、色彩の表現はもちろん、赤外線吸収・反射、抗菌・抗ウイルス性、導電性など、さまざまな機能を付与する分散体を提供しています。 塗料やインキをはじめとし、建材、自動車、電子材料、化粧品など、幅広い分野でお客様の製品づく ...
PICKUP
技術・サービスCONTACT
お問い合わせ