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【樹脂成形のガス抜き】水封ポンプを使い続ける前に見直したい、水温による脱気能力低下と水処理コスト
2026-06-23
樹脂成形工程におけるガス抜きや脱気は、品質を左右する重要なプロセスです。しかし、この工程で水封式真空ポンプを使用している場合、水温の上昇に伴う脱気能力の低下や、水処理にかかるランニングコストが現場の課題となることがあります。
本記事では、水封式真空ポンプが抱える構造的な課題と、水を使用しないドライ化による解決策について、具体的な数値を交えながら整理します。
目次
- 樹脂成形工程におけるガス抜き不良の要因と水温の関係
- 水封式真空ポンプの維持にかかる見えない水処理コスト
- 水不要のドライ式がもたらす脱気能力の安定化と省エネ
- 樹脂成形のガス抜きに適した真空ポンプの選定ポイント
- アンレットができること
- FAQ
- 本記事を理解するためのキーワード
■ 樹脂成形工程におけるガス抜き不良の要因と水温の関係
自動車のダッシュボードやバンパー、あるいは卵パックのような複雑な形状の食品トレーを製造する際、樹脂成形工程では確実なガス抜きと脱気が求められます。押出機での混練時に発生する空気や揮発性ガス、水分を適切に取り除き、真空成形工程で金型に密着させることが、品質と歩留まりを向上するための前提となります。
この脱気工程において広く利用されているのが水封式真空ポンプです。水封式は、インペラーと封液でポンプ内部に水の膜を形成し、真空状態を作り出す構造を持っています。しかし、この構造上、使用する水の温度がポンプ性能に直結するという課題があります。
特に問題となるのが、水温の上昇です。水封式真空ポンプは、水温が高くなるとポンプ内部で水が蒸発しやすくなり、真空度が低下します。水温15℃の条件下では約2kPaAの圧力下で排気速度は0(到達圧力)となり、水温が上昇すると到達圧力は悪化します。
このように、水封式真空ポンプは水温によって排気能力が変動するため、安定した脱気を維持するには常に温度管理が必要です。これが現場の運用負担となり、ガス抜き不良や品質ばらつきの一因となることがあります。
■ 水封式真空ポンプの維持にかかる見えない水処理コスト
水封式真空ポンプを運用する上では、性能面での温度管理に加え、設備維持にかかるコストも考慮する必要があります。ポンプの稼働には封水として大量の水が継続的に必要となるため、まず直接的な水道代が発生します。
さらに、使用した水はそのまま排出できるわけではなく、適切な排水処理が求められます。そのため、排水処理設備にかかる費用や管理の手間が、ランニングコストとして積み重なっていきます。
水を循環させて使用する場合でも、ポンプ能力を維持するには水を冷却する必要があります。この冷却工程では、クーリングタワーなどの付帯設備を稼働させるためのモーター動力が新たに必要となります。
つまり、水封式真空ポンプの運用には、ポンプ単体の消費電力だけでなく、水処理や冷却設備の稼働にかかるエネルギーコストが隠れています。これらを総合すると、設備全体の動力が大きくなり、省エネ化を阻む要因となる場合があります。
■ 水不要のドライ化がもたらす脱気能力の安定化と省エネ
こうした水温による能力低下や水処理コストの課題に対しては、水を使用しないドライ型真空ポンプへの置き換えが有効な選択肢となります。ドライ型真空ポンプの大きな特長は、封水を使用しないため、水温変化の影響を受けにくい点です。
また、冷却水や封水を使用しないことで、水封式の運用に付帯していた水処理のための動力、水道代、排水処理費用の削減が期待できます。たとえば、既設の水封式真空ポンプ(電動機30kW×5台)を、空冷式ドライ型真空ポンプ(FT3-1000L×7台)へ切り替えた場合の試算では、電気料金を年間約259万円、CO2排出量を年間約35.5t削減できる結果という結果が出ています。
このように、ポンプ単体だけでなく、水処理・冷却設備を含めた設備全体で見直すことで、脱気能力の安定化とランニングコスト削減を両立しやすくなります。
■ 樹脂成形のガス抜きに適した真空ポンプの選定ポイント
樹脂成形工程のガス抜き用途で真空ポンプを選定する際は、単一のスペックだけでなく、運用全体の安定性とコストを総合的に確認することが重要です。
第一のポイントは、環境要因による能力変化の有無です。押出機や真空成形機の稼働中に安定した脱気ができるか、特に水温などの外的要因によって排気能力が低下しない構造であるかを確認する必要があります。
第二のポイントは、ランニングコストと付帯設備の必要性です。ポンプ単体の消費電力だけでなく、クーリングタワーや排水処理設備にかかる動力、維持費を含めたトータルコストで比較することが重要です。水回りの設備を削減できることは、長期的な保全負担の軽減にもつながります。
第三のポイントは、運転状況に応じた制御性です。工程ごとに必要な真空度や排気量が変動する場合、インバータ制御などによって無駄な電力消費を抑えつつ、必要な能力を発揮できるかどうかも、省エネ化を進める上で重要な判断基準となります。
■ アンレットができること
アンレットは、樹脂成形工程のガス抜きや脱気用途において、省エネと安定稼働を両立するドライルーツ式真空ポンプを提供しています。自動車部品から食品トレーの製造まで、さまざまな成形現場で求められる安定した脱気能力をサポートします。
水封式真空ポンプからアンレットのドライ型真空ポンプへ置き換えることで、水温に左右されにくい安定した到達真空度を確保し、成形不良のリスク低減に寄与します。また、冷却水や封水が不要になることで、水処理にかかる動力、水道代、排水処理費用の削減が期待できます。
※詳細な仕様や導入事例については、アンレットまでお問い合わせください。
■ FAQ
Q1:水封式真空ポンプからドライ型に変更すると、排気能力に違いは出ますか?
A1:ドライ型真空ポンプは、水封式に比べて水温の影響を受けにくく、排気能力が安定しやすい特長があります。水封式は機種によっては水温15℃、約2kPaAで空気量がゼロ(到達圧力)となりますが、アンレットのドライ型はFT3-Lで大気圧から1.33kPaA付近まで空気量の低下がほぼなく、到達圧力は約0.266kPaAでキャビテーションの心配もありません。
Q2:ドライ型真空ポンプを導入することで、具体的にどのようなコストが削減できますか?
A2:封水や冷却水を使用しないため、水道代や排水処理費用の削減が期待できます。加えて、水封式で必要だったクーリングタワーや水処理設備を稼働させるためのモーター動力も削減できるため、設備全体の電気代低減にもつながります。
実際に、既設水封式(電動機30kW×5台)から空冷式(FT3-1000L×7台)へ切り替えた場合の試算では、電気料金を年間約259万円、CO2排出量を年間約35.5t削減できる結果となっています。
Q3:樹脂成形工程におけるドライ型真空ポンプの主な適用範囲を教えてください。
A3:自動車のダッシュボードやバンパー、食品トレーなどの製造工程に適用されます。具体的には、押出機での混練時に発生する空気やガスの脱気、および真空成形工程における金型への密着用途で幅広く使用されています。
■ 本記事を理解するためのキーワード
- 樹脂成形 : 樹脂を加熱して溶かし、金型に押し当てて特定の形状を作る加工技術のこと。
- 水封式真空ポンプ : ポンプ内部に水の膜(封水)を作り、その水を利用して気体を吸引・排気する方式のポンプ。
- ドライルーツ式真空ポンプ : 内部に水や油などの潤滑材を使用せず、ローターの回転によって気体を移送する真空ポンプ。
- 到達真空度 : 真空ポンプが気体を排気し続けた際に、それ以上圧力が下がらなくなる限界の圧力値のこと。
- インバータ制御 : モーターの回転速度を電気的に調整し、運転状況に応じて必要な能力だけを発揮させる制御方式。
※詳細な仕様や導入事例については、アンレットまでお問い合わせください。
会社情報
ANLETは、省エネルギーと環境保全を重視したルーツブロワ、真空ポンプ、集じん機のメーカーです。最大の特長は、3葉ローター技術にあり、従来システムと比べて騒音や振動を低減し、消費電力を最大70%削減します。ローターとシャフトを一体鋳造した高耐久構造に加え、オイルフリー方式によるクリーンな運転により、油汚染のない清浄な性能を実現しています。累計120万台以上の生産実績と日本国内トップの市場シェアが品 ...
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